「経験こそが人生の資産」──旅好きにこそ読んでほしい名著
旅行が好きなあなた。
一生に一度の絶景、一瞬で終わるこどもの笑顔、仲間と過ごす特別な時間──。
そんな「かけがえのない経験」を、あなたはいつ、どれだけ味わいたいと思っていますか?
「老後のためにお金を貯めなきゃ」
「子どもが大きくなってから、ゆっくり旅しよう」
そう考えるのは自然なことです。
でも、それが本当に正解なのか、立ち止まって考えさせてくれる本があります。
それが、今回ご紹介する『DIE WITH ZERO(ダイ・ウィズ・ゼロ)』。
死ぬときに一番後悔するのは「もっと人生を楽しめばよかった」こと
この本は、お金を貯めすぎて“使いどころ”を逃すことのリスクを警告します。
本記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つ筆者が、この本が「なぜ旅行好きに刺さるのか?」という視点で解説します。
『DIE WITH ZERO』とは?──お金・時間・人生の再設計書
『DIE WITH ZERO』の主張はシンプルです。
「お金をため込んだまま死ぬのは、もったいない」
著者のビル・パーキンスは、ヘッジファンドの成功者でありながら、人生を振り返ったときに「お金を使うタイミング」を誤っていたと痛感したといいます。
この本では、お金だけでなく、「時間」「健康」「若さ」という人生の資源をどう使うかが問われます。
特に印象的なのは、次の3つの概念です:
- 人生は“今しかできないこと”の連続である
- 経験にこそ投資せよ。お金は思い出に変えて使い切れ
- 子どもや家族にも“経験の贈与”をしよう
まさに「旅に出る理由」そのものです。
なぜ旅好きに刺さるのか?3つの理由
理由①「若さは取り戻せない」ことに気づく
本書の冒頭から繰り返されるのが「今しかできないことは、今やるべきだ」というメッセージ。
たとえば南米のウユニ塩湖に行きたいと思っていても、60代になって本当に行けるでしょうか?
・体力
・気候への適応力
・家族構成の変化
など、若い頃に比べて選択肢が制限されていくのは明らかです。
「体力・自由・時間・お金」のすべてが揃う時期は、実はそう多くない
だからこそ、「その旅は今しかできないかもしれない」という視点で、人生設計を見直すことが大切です。
理由②「貯めすぎるリスク」に気づける
日本では「老後2000万円問題」や「将来不安」が話題になるたびに、貯金志向が強くなります。
しかし『DIE WITH ZERO』では、「使わなかったお金=無駄な労働」だと指摘されます。
働いて稼いだのに、そのお金を使わずに死ぬのは、人生の無駄遣い
もちろん将来への備えは必要ですが、「今を犠牲にしすぎる」ライフスタイルが本当に幸せか?を考えるきっかけになります。
理由③「思い出」は人生の最大の資産になる
お金は失ってもまた稼げます。でも、思い出は一度きりの経験でしか得られません。
特に旅のような体験は、あとから振り返ると、その人の人生そのものになります。
お金は減るが、思い出は“複利”で増えていく
時が経つほどに、その価値は高まる
「旅行に行ってよかった」「家族であの景色を見られて本当によかった」──
そんな経験が人生を豊かにし、最後に振り返ったときの“満足感”を高めてくれるのです。
家族旅行や子育て世代にも響く「旅育」の視点
特に子育て中の方にとって、『DIE WITH ZERO』は大きなヒントになります。
「子どもとの時間は、今しかない」
たとえば、2歳の子と沖縄の海で遊べるのは「2歳の今」だけ。
子どもが大きくなれば、親と過ごす時間は自然と減っていきます。
また、本書では「お金の相続よりも、経験の相続を」という考え方も説かれます。
旅育や家族旅行を通じて、親が贈れる最高の財産は「思い出」かもしれません。
『DIE WITH ZERO』的な旅を叶える5つの実践アイデア
- 年に1度は“記憶に残る旅”を計画する
──高価でなくていい。「初めて」が多い旅がベスト - マイル・ポイントで旅費を節約する
──「陸マイラー」になることで、コストを抑えて高品質の旅行を実現 - 死ぬまでにやりたいことリストを作る
──いわゆる“バケットリスト”で旅の優先度を明確に - 家族旅行は“あとで”ではなく“今”行く
──子どもが幼い時期ほど、価値は高い - 貯金ばかりせず、「使う」習慣も作る
──貯めすぎのライフスタイルを見直す
まとめ:お金は、思い出をつくるためにある
『DIE WITH ZERO』は、「いつか旅行に行こう」と先延ばしにしている人にこそ響きます。
「今、行こう」
「今、楽しもう」
「今、思い出をつくろう」
旅行は、お金を「思い出」という資産に変える最高の手段です。
人生の最終盤で「もっと旅をすればよかった」と後悔しないように、今この瞬間の価値に目を向けてみませんか?
📖 『DIE WITH ZERO』を読んで、あなたの時間とお金の使い方を再設計してみましょう。
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