「新NISA口座を作ったけれど、何を買えばいいのか分からない」
「オルカンやS&P500をよく聞くけれど、自分に合っているのか不安」
「成長投資枠では個別株も買った方がいいの?」
新NISAを始めるとき、多くの人が最初につまずくのが商品選びです。
結論からいうと、投資初心者はまず、つみたて投資枠で買える分散型の投資信託から考えるのが分かりやすいです。
一方で、成長投資枠や個別株は、必ず使わなければいけないものではありません。商品内容や値動きを理解できないまま買うより、まずは自分が続けやすい商品を少額から選ぶ方が大切です。
この記事では、新NISAで買える商品の種類、初心者が商品を選ぶ基準、オルカンとS&P500の考え方、成長投資枠を使うときの注意点を解説します。
本記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資には元本割れの可能性があります。
新NISAで何を買う?初心者はまず「分散型の投資信託」から考える
新NISAで何を買うか迷ったら、まずは次の順番で考えると分かりやすくなります。
- つみたて投資枠で買える投資信託を確認する
- 投資先が分散されている商品を候補にする
- 信託報酬などのコストを確認する
- 自分が長く持てそうか考える
- 成長投資枠は慣れてから検討する
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁に届け出られた長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。金融庁は、つみたて投資枠対象商品の届出一覧を公表しています。
ただし、対象商品だからといって、元本保証があるわけではありません。
投資信託は値動きします。買った後に価格が下がることもあります。
そのため、「人気だから買う」ではなく、自分が内容を理解できるか、下落しても続けられるかを基準に選ぶことが大切です。
つみたて投資枠は長期・積立・分散向けの商品が対象
新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円、合計で年間360万円まで投資できます。非課税保有期間は無期限です。
| 投資枠 | 年間投資枠 | 主な対象 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 上場株式、投資信託、ETF、REITなど |
初心者が最初に考えやすいのは、つみたて投資枠です。
理由は、商品が一定の基準に沿って絞られており、毎月の積立設定にも向いているからです。
成長投資枠は慣れてからでも遅くない
成長投資枠では、個別株やETF、REIT、投資信託など、より幅広い商品を購入できます。
ただし、買える商品が多いほど、迷いやすくもなります。
初心者がいきなり成長投資枠で個別株やテーマ型投資信託を買うと、値動きやリスクを理解しきれないことがあります。
新NISAは、成長投資枠を使わないと損という制度ではありません。
まずはつみたて投資枠で投資に慣れ、商品内容や値動きが分かってきてから成長投資枠を検討しても遅くありません。
新NISAで買える商品の種類
新NISAで購入できる主な商品には、投資信託、ETF、個別株、REITなどがあります。
それぞれ特徴が違うため、初心者は「どれが儲かるか」よりも、「自分が理解しやすいか」で見ていきましょう。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めたお金を、運用会社が株式や債券などに分散して運用する商品です。
初心者が新NISAで最初に考えやすいのは、この投資信託です。
特に、全世界株式や米国株式など、広い地域や市場に分散して投資するインデックスファンドは、商品内容を理解しやすいものが多いです。
投資信託を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- どの国や地域に投資しているか
- 株式中心か、債券も含むか
- 信託報酬はいくらか
- 純資産総額は極端に小さくないか
- 長期で持ち続けられる内容か
ETF
ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。
株式のように市場で売買でき、日経平均株価やS&P500などの指数に連動するものもあります。
成長投資枠で利用できるETFもありますが、初心者にとっては、通常の投資信託より売買タイミングを意識しやすく、少し難しく感じるかもしれません。
まずは積立設定しやすい投資信託を中心に考え、ETFは慣れてから検討するのでも十分です。
個別株
個別株は、トヨタ、任天堂、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、個別企業の株式を買う方法です。
企業の成長や配当を期待できますが、1社に集中するほど値動きは大きくなりやすいです。
業績悪化、不祥事、業界環境の変化などで、大きく値下がりすることもあります。
個別株を買うなら、少なくとも次の点は確認したいところです。
- どのような事業で利益を出している会社か
- 業績や財務に大きな不安はないか
- 配当利回りだけを見ていないか
- 値下がりしても持ち続ける理由があるか
- 1社に投資額を集中させすぎていないか
初心者が個別株を買う場合は、成長投資枠の一部だけにとどめるなど、全体のバランスを意識しましょう。
REIT
REITは、不動産投資信託のことです。
オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設などの不動産に投資し、賃料収入などをもとに分配金が支払われる商品です。
不動産に分散投資できる一方で、金利や不動産市況の影響を受けます。
配当や分配金に注目して買われることもありますが、価格変動リスクはあります。
初心者が最初から大きく買うというより、投資信託に慣れてから、資産の一部として検討する位置づけがよいでしょう。
初心者が商品を選ぶときの5つの基準
新NISAの商品選びで大切なのは、「人気ランキングの上位かどうか」だけではありません。
初心者は、次の5つを確認しましょう。
1. 投資先が分かりやすいか
まず確認したいのは、その商品が何に投資しているかです。
たとえば、同じ投資信託でも中身はさまざまです。
- 日本株に投資する商品
- 米国株に投資する商品
- 全世界株式に投資する商品
- 債券も含むバランス型の商品
- 特定のテーマや業種に集中する商品
自分が説明できない商品は、値下がりしたときに不安になりやすいです。
商品名だけで判断せず、投資対象を確認しましょう。
2. 分散されているか
初心者は、できるだけ分散された商品を選ぶ方が考えやすいです。
1社の株だけを買うと、その会社の業績やニュースに大きく影響されます。
一方で、全世界株式型や米国株式型の投資信託は、多くの企業にまとめて投資できます。
ただし、分散されていても元本保証ではありません。株式中心の商品であれば、相場全体が下がると評価額も下がります。
分散はリスクをなくすものではなく、特定の企業や地域に偏りすぎるリスクを抑えるための考え方です。
3. 信託報酬が高すぎないか
投資信託には、信託報酬という運用管理費用がかかります。
信託報酬は、保有している間に継続してかかるコストです。
長期で持つほど影響が大きくなるため、同じような投資対象の商品であれば、信託報酬が低いものを候補にしやすくなります。
ただし、手数料が低ければ何でもよいわけではありません。
投資先、運用方針、純資産総額、運用実績なども合わせて確認しましょう。
4. 長く持てる値動きか
新NISAは、短期売買で利益を狙うより、長期の資産形成に使いやすい制度です。
そのため、商品を選ぶときは「上がりそうか」だけでなく、下がったときに持ち続けられるかを考える必要があります。
たとえば、株式100%の商品は長期的な成長を期待しやすい一方で、短期的には大きく下がることがあります。
値動きが怖い人は、株式だけでなく債券なども含むバランス型を検討する余地があります。
自分が耐えられない値動きの商品を選ぶと、下落時に売ってしまいやすくなります。
5. 自分の目的と合っているか
商品選びは、目的によっても変わります。
| 目的 | 考え方 |
|---|---|
| 老後資金 | 長期で続けやすい分散型の商品を中心に考えやすい |
| 将来の旅行資金 | 使う時期を調整できる余裕資金の範囲で考える |
| 教育費 | 必要な時期が近いなら預貯金を優先しやすい |
| 配当収入 | 高配当株やETFも候補になるが、値下がりリスクも見る |
| 投資経験を積みたい | 少額で始め、値動きに慣れることを優先する |
「何を買うか」は、目的とセットで考えると選びやすくなります。
よく比較される商品タイプ
新NISAでは、次のような商品タイプがよく比較されます。
全世界株式型
全世界株式型は、日本を含む世界中の株式、または日本を除く世界の株式に分散して投資するタイプです。
よく「オルカン」と呼ばれる商品も、この全世界株式型に含まれます。
特徴は、世界全体に広く分散できることです。
米国だけ、日本だけといった特定地域への集中を避けたい人に向いています。
一方で、世界全体に投資していても、株式中心の商品である以上、相場が悪い時期には値下がりします。
米国株式型
米国株式型は、米国企業に投資するタイプです。
代表的なものとして、S&P500に連動する投資信託があります。
S&P500は、米国の代表的な大型株で構成される指数です。
米国企業の成長に期待したい人には分かりやすい一方、投資先が米国に偏ります。
米国市場が長期的に好調なら恩恵を受けやすいですが、米国市場が低迷する時期には影響を受けます。
バランス型
バランス型は、株式だけでなく債券やREITなど、複数の資産に分散して投資するタイプです。
株式100%の商品より値動きが穏やかになりやすい一方で、株式市場が大きく上がる局面では、上昇幅が小さくなることもあります。
投資の値動きが怖い人や、株式だけにするのが不安な人は、候補に入れてもよい商品タイプです。
高配当株・個別株
高配当株や個別株は、成長投資枠で検討されやすい商品です。
配当金を受け取りたい人にとって魅力がありますが、配当利回りだけで選ぶのは危険です。
株価が大きく下がった結果、見かけ上の配当利回りが高くなっている場合もあります。
また、企業の業績が悪化すれば、減配や無配になる可能性もあります。
初心者が高配当株や個別株を買うなら、最初から大きな金額を入れるのではなく、資産全体の一部として考える方が現実的です。
オルカンとS&P500はどちらがいい?
新NISAの商品選びでよく迷うのが、全世界株式型、いわゆるオルカンと、S&P500型のどちらにするかです。
どちらが絶対に正解、というものではありません。
考え方は次のように分けられます。
| 比較項目 | 全世界株式型 | S&P500型 |
|---|---|---|
| 投資先 | 世界中の株式 | 米国の代表的な大型株 |
| 分散 | 地域分散しやすい | 米国への集中度が高い |
| 期待するもの | 世界経済全体の成長 | 米国企業の成長 |
| 向いている人 | 特定の国に偏りたくない人 | 米国の成長に期待したい人 |
| 注意点 | 米国比率が高い商品もある | 米国市場の低迷に影響を受けやすい |
迷う場合は、次の質問を自分にしてみてください。
- 米国に集中しても納得できるか
- 世界全体に広く分散した方が安心か
- 下落したときに「なぜこの商品を買ったのか」を説明できるか
- 10年、20年単位で持つ前提で考えられるか
「SNSでS&P500が人気だから」「みんながオルカンと言っているから」だけで決めると、下落時に不安になりやすいです。
どちらを選ぶにしても、自分が納得して続けられることが大切です。
成長投資枠では何を買う?初心者は無理に使わなくてよい
成長投資枠では、つみたて投資枠より幅広い商品を買えます。
たとえば、次のような商品です。
- 国内株式
- 外国株式
- ETF
- REIT
- 成長投資枠対象の投資信託
ただし、成長投資枠は初心者が必ず使うべき枠ではありません。
つみたて投資枠だけでも、非課税保有限度額1,800万円を使い切ることは可能です。
初心者は、次のような場合に成長投資枠を検討するとよいでしょう。
- つみたて投資枠の商品に慣れてきた
- 個別株やETFの特徴を理解している
- 余裕資金がある
- 値下がりしても慌てて売らない自信がある
- 投資先を分散できる
反対に、次のような状態なら、成長投資枠を急ぐ必要はありません。
- つみたて投資枠の商品もよく分からない
- 生活防衛資金が十分ではない
- 近いうちに使う予定のお金を投資しようとしている
- 高配当や株主優待だけで個別株を選ぼうとしている
- 値動きが気になって眠れない
新NISAは、枠を全部使うことが目的ではありません。
自分の理解できる範囲で、無理なく使うことが大切です。
初心者が避けたい商品選び
新NISAで商品を選ぶとき、初心者が避けたいパターンがあります。
人気ランキングだけで買う
ランキング上位の商品には、人気になる理由があります。
ただし、人気商品が自分に合っているとは限りません。
投資先や値動きを理解せずに買うと、下落したときに不安になりやすいです。
人気ランキングは、あくまで候補を知るための入口として使いましょう。
SNSで見た商品をそのまま買う
SNSでは、「新NISAはこれ一択」「この銘柄を買えば大丈夫」といった投稿を見かけることがあります。
しかし、投資額、年齢、目的、家計状況、リスク許容度は人によって違います。
他人に合う商品が、自分にも合うとは限りません。
配当利回りだけで高配当株を買う
高配当株は魅力的に見えますが、配当利回りだけで判断するのは危険です。
株価が下がっているから利回りが高く見える場合もあります。
また、企業の業績が悪化すれば、配当が減ることもあります。
配当目的で買う場合でも、企業の事業内容や業績を確認しましょう。
テーマ型投資信託に集中する
AI、半導体、脱炭素、インド株など、特定テーマに投資する商品は話題になりやすいです。
ただし、テーマ型の商品は値動きが大きくなることがあります。
初心者が資産の大部分をテーマ型に集中させると、相場が崩れたときに大きな不安につながります。
手数料を見ずに買う
投資信託を選ぶときは、信託報酬を確認しましょう。
似たような投資対象の商品でも、コストが違うことがあります。
長期で保有するほど、継続的にかかる費用の差は無視できません。
新NISAで何を買うか決める3ステップ
ここまでの内容を踏まえて、初心者が新NISAで何を買うか決める流れを整理します。
STEP1:投資の目的と期間を決める
まずは、何のために投資するのかを考えます。
- 老後資金
- 将来の旅行資金
- 子どもが独立した後の資金
- 余裕資金の長期運用
- 投資に慣れるための少額運用
使う時期が近いお金は、投資に向きにくいです。
1〜3年以内に使う予定のお金は、預貯金で確保しておきましょう。
STEP2:つみたて投資枠の商品から候補を選ぶ
初心者は、まずつみたて投資枠で買える投資信託を候補にすると選びやすいです。
候補を選ぶときは、次の点を確認します。
- 全世界株式型か
- 米国株式型か
- バランス型か
- 信託報酬はいくらか
- 投資先を理解できるか
- 値下がりしても続けられそうか
STEP3:少額で始め、必要なら後から見直す
最初から完璧な商品選びをしようとすると、手が止まってしまいます。
月1,000円、月5,000円、月1万円など、家計に無理のない金額から始め、投資に慣れてから見直す方法もあります。
商品を頻繁に変える必要はありませんが、目的や家計状況が変わったときは、投資額や商品を見直しても構いません。
新NISAは長く使う制度です。
最初から正解を当てにいくより、理解できる商品を、無理のない金額で続けることを優先しましょう。
新NISAで何を買うか迷う人への具体例
ここでは、考え方の例を紹介します。
特定の商品を推奨するものではありませんが、選び方の参考にしてください。
できるだけシンプルに始めたい人
まずは、全世界株式型やバランス型など、分散された投資信託を1本選ぶ方法があります。
複数の商品を組み合わせるより管理が楽で、初心者でも続けやすいです。
米国企業の成長に期待したい人
米国株式型、特にS&P500に連動する投資信託を候補にする考え方があります。
ただし、米国への集中度が高くなるため、米国市場が不調な時期の値動きも受け入れられるかを考えましょう。
値動きが怖い人
株式100%の商品が不安なら、バランス型の商品を検討する方法があります。
株式だけでなく債券などを含むため、値動きが比較的抑えられる場合があります。
ただし、バランス型でも元本保証ではありません。
配当や株主優待に興味がある人
成長投資枠で高配当株や個別株を検討する方法もあります。
ただし、最初から大きな金額を入れるのではなく、つみたて投資枠を中心にしながら、余裕資金の一部で考える方が安全です。
新NISAに関するよくある質問
新NISAで初心者は何を買えばいいですか?
初心者はまず、つみたて投資枠で買える分散型の投資信託から考えると分かりやすいです。
全世界株式型、米国株式型、バランス型などの特徴を比べ、自分が長く持てそうな商品を選びましょう。
オルカンとS&P500はどちらがいいですか?
どちらが絶対に正解とはいえません。
全世界株式型は地域分散しやすく、S&P500型は米国企業の成長に期待する商品です。
米国に集中してもよいか、世界全体に分散したいかで考えると選びやすくなります。
成長投資枠では個別株を買った方がいいですか?
必ず買う必要はありません。
個別株は企業ごとの値動きが大きくなりやすいため、初心者はまずつみたて投資枠で投資信託に慣れてから検討しても遅くありません。
新NISAでは投資信託を何本買えばいいですか?
初心者は1本からでも問題ありません。
全世界株式型やバランス型のように、1本で広く分散できる商品もあります。商品を増やしすぎると管理が難しくなるため、まずは理解できる範囲で始めましょう。
人気ランキング上位の商品を買えば大丈夫ですか?
人気商品が自分に合うとは限りません。
ランキングは候補を知る参考にはなりますが、投資先、信託報酬、値動き、運用方針を確認してから選ぶことが大切です。
まとめ|新NISAの商品選びは「人気」より「続けられるか」で考えよう
新NISAで何を買うか迷ったら、初心者はまずつみたて投資枠で買える分散型の投資信託から考えるのがおすすめです。
2024年からの新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、年間投資枠は合計最大360万円、非課税保有期間は無期限です。
ただし、制度の枠が大きいからといって、最初から成長投資枠や個別株まで使い切る必要はありません。
商品選びで大切なのは、次の5つです。
- 投資先が分かりやすいか
- 分散されているか
- 信託報酬が高すぎないか
- 長く持てる値動きか
- 自分の目的と合っているか
オルカン、S&P500、高配当株、個別株など、気になる商品はたくさんあると思います。
でも、人気だけで選ぶ必要はありません。
新NISAは、短期間で正解を当てるための制度ではなく、自分の生活に合わせて長く使う制度です。
まずは、理解できる商品を、無理のない金額で始めることから考えてみてください。
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