※投資には元本割れの可能性があります。特定の銘柄の購入をすすめるものではありません。
筆者は、新NISAのつみたて投資枠でオルカンを積み立てながら、成長投資枠で株主優待のある日本株をいくつか持っています。持っている銘柄と使い方は「株主優待で旅する」で紹介しています。
この記事では、これからNISAで優待株を買いたい方向けに、選び方と注意点をまとめます。
先に結論
- 優待株は「運用の主役」ではなく「楽しみの枠」。まずはつみたて投資枠の積立を優先
- 選ぶときは「優待を実際に使うか」「会社そのものに納得できるか」を確かめる
- NISAで配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」の登録が必要
- NISAの損失は損益通算できない。優待以上に株価で損する可能性もある
NISAで優待株を持つメリット
- 配当金と売却益が非課税(通常は約20%の税金がかかる)
- SBI証券では、NISA口座の国内株式の売買手数料が0円
- 優待の内容は、NISA口座でも特定口座でも変わらない
成長投資枠は年240万円、生涯で最大1,200万円まで使えます。つみたて投資枠とは別に使えるので、積立を続けながら優待株を少しずつ買う、という使い方ができます。
優待株の選び方:5つのチェックポイント
1. 優待を実際に使うか
いちばん大事なのは、優待が自分の生活の中で使えるかどうかです。普段行くお店の割引や、家族で使える宿泊券などは、実質的な節約になります。使わない優待は、もらっても価値がありません。
筆者の場合は、次のように使っています。
- イオンのオーナーズカード:普段の買い物で提示して、買い物金額の還元を受ける
- 楽天グループの楽天モバイル優待:スマホのデュアルSIMの2回線目にして、旅先の予備回線にする
- 東急不動産ホールディングスの宿泊優待券:ホテルや東急ステイに泊まる旅行に使う
どれも「優待のために無理に使う」のではなく、もともとの生活や旅行の中で使えるものを選んでいます。
2. 必要な株数と金額
優待は「100株以上でもらえる」など、保有株数の条件があります。株価×必要な株数で、成長投資枠をどれくらい使うかを確かめましょう。1株から買える単元未満株は、NISAでも買えますが、優待の対象にならないことが多い点に注意が必要です。
3. 優待+配当でどれくらい返ってくるか
優待の価値と年間の配当を、買う金額で割ってみると比較しやすくなります。
- 優待利回り=優待の価値(年間)÷買う金額
- 配当利回り=年間の配当金÷買う金額
ただし、「自分が実際に使う分」で計算するのがポイントです。使い切れない優待券を額面どおりに数えると、利回りを高く見積もってしまいます。
配当がない銘柄もあります。たとえば楽天グループは2025年12月期が無配でした。こうした銘柄は、配当ではなく優待を使う前提で考えることになります。
4. 会社の業績と財務
優待は会社の判断で変更・廃止されることがあります。業績が悪化すると、優待の縮小と株価の下落が同時に起きやすいので、優待だけでなく、会社そのものを長く応援できるかも考えましょう。
5. 長期保有の優遇があるか
長く持つほど優待が増える会社もあります。たとえばオリエンタルランドは、100株では毎年の通常優待はありませんが、3年以上続けて持つと1デーパスポートが毎年1枚もらえます(9月末が基準)。
売買を繰り返すより、長く持ち続ける方が得になりやすいので、非課税で長く持てるNISAとの相性がいいポイントです。ただし、証券会社を変えるなどで株主番号が変わると、継続保有の条件がリセットされることがあります。
買う前に知っておきたい注意点
優待をもらうには「権利付最終日」までに買う
優待を受け取るには、権利確定日に株主名簿に載っている必要があります。そのためには、権利確定日の2営業日前(権利付最終日)までに株を買っておく必要があります。月ごとの日程は「株主優待の権利付最終日カレンダー」にまとめています。
権利付最終日の翌営業日(権利落ち日)は、配当や優待の分だけ株価が下がることがあります。優待のためだけに直前に買って翌日に売ると、値下がりで損をすることもあるので、急いで買わず時期をずらすのも一つの方法です。
配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」に
NISA口座で日本株の配当金を非課税で受け取るには、配当金の受け取り方法を「株式数比例配分方式」に登録しておく必要があります。郵便局や銀行で受け取る方式のままだと、NISAで買った株でも配当に税金がかかります。
登録は権利確定日より前に済ませておきましょう。SBI証券の場合、この方式を選ぶと、特定口座など他の口座の配当金も同じ方式で受け取ることになります。
NISAの損失は、他の利益と相殺できない
NISA口座で出た損失は、税金の上では「なかったもの」とされます。特定口座の利益と相殺(損益通算)したり、翌年以降に繰り越したりできません。個別株は投資信託より値動きが大きいので、この点は理解しておきましょう。
売った分の枠は翌年に復活するが、頻繁な売買には向かない
新NISAでは、売却した株の買ったときの金額分だけ、生涯の非課税枠が翌年に復活します。ただし年間の投資枠(成長投資枠は240万円)は復活しないので、優待のたびに買って売る、といった使い方には向きません。
筆者の優待株との付き合い方
筆者にとって優待株は、オルカンの積立とは別の「楽しみの部分」です。資産づくりの中心は分散した投資信託の積立にして、優待株は生活や旅行で使えるものだけを、無理のない範囲で持っています。
個別株を持つ以上、リスクはかなり取っていると自覚しています。優待以上に株価で損をする可能性もあると理解したうえで、優待は趣味として楽しむ、という位置づけです。積立と個別株の考え方は「新NISAで何を買う?」にも書いています。
まとめ
- 優待株は新NISAの成長投資枠で買え、配当と売却益が非課税になる
- 選ぶときは「優待を使うか」「必要な金額」「優待+配当」「業績」「長期優遇」を確認
- 権利付最終日、株式数比例配分方式、損益通算できない点に注意
- 主役はあくまでつみたて投資枠の積立。優待株は楽しめる範囲で
参考情報(確認日:2026年11月6日)
- SBI証券|NISA(成長投資枠は年240万円・生涯1,200万円、国内株式の売買手数料0円、損益通算・繰越控除不可)
- SBI証券 FAQ|NISA口座の配当金を非課税で受け取るには(株式数比例配分方式)
- 大和証券|権利付き最終日(権利確定日の2営業日前)
- 金融庁|NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」(非課税保有限度額の再利用)
- 楽天証券|オリエンタルランドの株主優待(長期保有株主優待)
- 各社の優待内容:「株主優待で旅する」執筆時(2026年10月29日)に各社の公式サイトで確認


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