※投資には元本割れの可能性があります。
2027年1月に始まる「こどもNISA」。年間60万円まで積み立てられますが、「満額は無理」「そもそも親のNISAを先に埋めるべき?」と迷う方も多いと思います。
この記事では、毎月の金額別にどれくらいになりそうかを試算し、親のNISAとの優先順位をFP2級の子育て中の会社員として整理します。
先に結論
- 迷ったら「児童手当と同じくらい(月1万〜1.5万円)」から始めるのが続けやすい
- 月1万円を0歳から18年続けると、元本216万円が年3%運用なら約286万円(試算)
- 親のNISAに余裕がないなら、引き出しやすい親名義を優先するのも合理的
- こどもNISAは月5万円なら10年で上限600万円に届く。満額を急ぐ必要はない
こどもNISAの枠をおさらい
- 年間投資枠:60万円(月にすると5万円)
- 非課税保有限度額:600万円
- 12歳になるまでは原則引き出せない。12歳以降は子どものため・本人の同意などが条件
制度の全体像は「こどもNISAとは?」で解説しています。
金額別シミュレーション
0歳から18歳まで(216か月)毎月積み立てた場合の試算です。600万円に達した時点で積立を止めています。
| 毎月の積立額 | 積み立てた元本 | 年3%で運用した場合 | 年5%で運用した場合 |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 216万円 | 約286万円 | 約347万円 |
| 1.5万円 | 324万円 | 約428万円 | 約520万円 |
| 2万円 | 432万円 | 約571万円 | 約693万円 |
| 3万円 | 600万円(約16年8か月で上限) | 約808万円 | 約990万円 |
| 5万円 | 600万円(10年で上限) | 約885万円 | 約1,145万円 |
※年利回りを月複利に換算した概算です。手数料・税金は考慮していません。将来の運用成果を示すものではなく、元本を下回ることもあります。
同じ600万円でも、早く枠を埋めた方が運用期間が長くなる分、試算上は大きくなります。ただし、家計に無理をさせてまで急ぐものではありません。
お子さんの今の年齢や、ほかの金額・利回りで試したい方は「こどもNISA・新NISA 積立シミュレーター」で計算できます。
「月いくら」を決める3つの目安
1. 児童手当をそのまま回す(月1万〜1.5万円)
児童手当は、3歳未満が月1万5,000円、3歳から高校生年代までが月1万円です(第1子・第2子の場合)。これをそのままこどもNISAに回せば、家計への負担はほぼゼロで続けられます。いちばん始めやすい目安です。
児童手当の支給日や、18歳までに受け取る総額は「児童手当の支給日と受給総額の計算ツール」で確かめられます。児童手当の使い道は「教育資金はこどもNISA・学資保険・預金のどれで貯める?」でも書いています。
2. 大学費用から逆算する
SBI証券が文部科学省などの調査をもとにまとめた目安では、幼稚園から大学までの教育費は、すべて公立で約1,132万円、すべて私立で約2,752万円です(大学は生活費を含む)。
このうち「大学の入学金と授業料の一部をこどもNISAで準備する」と決めると、目標額から月額を逆算しやすくなります。たとえば18歳時点で約400万円を目指すなら、年3%の試算で月1.5万円前後が目安です。
3. 家計の余裕で決める
生活防衛資金が貯まっていない、毎月の黒字がほとんどない、という状態なら、金額は小さくてかまいません。まずは家計を整えることが先です。(参考:新NISAで毎月いくら投資する?)
親のNISAとどちらを優先する?
| 比べるポイント | 親のNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 引き出しやすさ | いつでも売却・出金できる | 12歳になるまでは原則不可 |
| 枠の大きさ | 生涯1,800万円(年360万円) | 600万円(年60万円) |
| 売った後の枠 | 翌年に復活する | 18歳未満のうちは復活しない |
| 名義 | 親のお金 | 子どものお金(贈与になる) |
| 金融機関の変更 | 年単位で可能 | 未成年のうちは不可 |
使いやすさだけで見れば、親のNISAの方が自由度は高いです。急な出費や、教育費が予定より少なく済んだときにも、そのまま親の老後資金に回せます。
一方で、こどもNISAが向いているのは次のような家庭です。
- 親のNISA枠を使い切れそう、または使い切っている
- 「子どものお金」と「親のお金」をはっきり分けて管理したい
- 祖父母からの教育資金の援助を受け取る置き場所がほしい
- 子どもと一緒に、自分の口座の値動きを見ながらお金の話をしたい
わが家の考え方:わが家は、親のNISAを「自分たちの資産形成と教育費の準備」、こどもNISAを「教育費と子ども自身の将来のため」と役割を分けて使う予定です。児童手当は子ども用の貯蓄口座に分けて保管しています。どちらか一方に決めず、親のNISAの自由度とこどもNISAの「子どものお金として分けられる」よさを両方使うイメージです。
注意点
- 12歳になるまでは引き出せないので、生活防衛資金とは完全に分ける
- 親や祖父母のお金を入れると贈与になる。年110万円の基礎控除は、その年に子どもが受け取った贈与の合計で判定
- 祖父母などから教育資金をまとめて贈与するときに使えた「教育資金の一括贈与の非課税措置」は、2026年3月31日で期限を迎え、延長されなかった
- 売却しても18歳未満のうちは非課税枠が戻らないので、頻繁な売り買いには向かない
- 試算はあくまで目安。相場によっては元本を下回る年もある
まとめ
- 迷ったら児童手当と同じ月1万〜1.5万円から
- 月1万円・18年・年3%の試算で約286万円、月2万円なら約571万円
- 自由度は親のNISAが上。こどもNISAは「子どものお金を分けたい家庭」に向く
- 満額(月5万円)を無理に目指す必要はない
こどもNISAを始めるには、親の証券口座が先に必要です。
参考情報(確認日:2026年11月6日)
- SBI証券|こどもNISA(教育費の目安:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」、JASSO「令和4年度学生生活調査」よりSBI証券作成)
- マネックス証券|こどもNISAの概要
- 国税庁|No.4402 贈与税がかかる場合(暦年課税の基礎控除は1年間の合計で110万円)
- シミュレーション:筆者が年利回り3%・5%を月複利に換算して計算(手数料・税金は考慮せず)
- 財務省|令和8年度税制改正の大綱の概要(0〜17歳の間は年間60万円・総額600万円、教育資金の一括贈与の非課税措置は延長しない)


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